Top > 設計事務所で家を建てる理由 > 家は「買う?」それとも「建てる?」 ~入居後の快適さの比較
住んでみて分かる快適さの違いは「家が
建つ前」にほとんど決まっています。
先回は住宅を購入もしくは取得する上で選べる4つの選択肢について、家が建つまでのプロセスの違いについて比較してみました。今回は引き続きこの4つの選択肢について実際に取得した住宅に「住んでみた後の比較」を見ていきましょう。
住宅に住んだ後の快適さ比較
早速住宅を取得するために依頼する場所毎に比較してみます。
2.取得した住宅に住んでみた後の比較
分譲住宅やマンションについては、間取りや設備が「予め」決まっているため、住宅を取得する際に具体的な生活してみたら?というシミュレーションが圧倒的に不足します。そのため、住んでから「仕方がない」「ここは我慢しよう」と考えざるを得ない状況となってしまうことが多くなってきます。
繰り返しになりますが「住宅に合わせた生活」を今後数十年続けることを敢えて選ぶ必要はありません。もちろん「何の不満もない」というような素晴らしい住宅に巡り合うこともないとは言い切れません。ただ、その可能性はとても低い確率であり、その確率に賭けることはとてもおすすめできません。
繰り返しになりますが「住宅に合わせた生活」を今後数十年続けることを敢えて選ぶ必要はありません。もちろん「何の不満もない」というような素晴らしい住宅に巡り合うこともないとは言い切れません。ただ、その可能性はとても低い確率であり、その確率に賭けることはとてもおすすめできません。
それでは、「ハウスメーカー・工務店」について見てみましょう。これらの施工者に依頼する場合に「注文住宅」という便利な言葉が流行しています。住宅を取得するのに施主が注文するのはそもそも当然のことです。しかしこの反対には自由度の全くない「分譲住宅」があり、それを意識してこの「注文住宅」という言葉が使われているのです。ですから、限られた選択肢の中から選んでいくだけでも相当の自由度を持たせたように感じてしまうのがこの言葉の便利なところです。
賢明な方は既にお気づきかも知れませんが、この注文住宅という選択式の住宅設計は実は「施工者の立場」から見れば非常によく出来たシステムであり、逆に施主の立場から見れば自由度は相当狭い範囲となっています。つまり「施工者視点」という点で言えば、実は分譲住宅やマンションと同じであるため、住み始めてから何かを我慢するシーンが現れても不思議ではありません。
< 分譲住宅 >
- 「間取り、設備」について住宅にライフスタイルを合わせる部分が出てくることが多く、快適さに不満が残りやすい
- 内装・外観・設備問わず、デザイン性も無難な大人し目なものが多く、住む時間に比例して飽きが来やすい
< 分譲マンション >
- 「間取り、設備」について住宅にライフスタイルを合わせる部分が出てくることが多く、隣人との距離感から来る騒音や物音等も気になり、快適さに不満が残りやすい
- デザインは価格に比例し個人では実現が難しいレベルの物件も多数あり、満足感を得やすい
< ハウスメーカー・工務店等 >
- 注文住宅等、定められた仕様の範囲での自由度はあるが選択式であるがゆえ限定的。ライフスタイルを住宅に合わせる必要がある部分も出やすくなる
- 依頼する会社の得意分野は比較的自由度が高い部分もあるが、部品や設備を予め限定しており、好みに合わないことがある
< 設計事務所 >
- 家ありきではなく、人ありきで家を設計していくことが最大の特徴であり、4つの選択肢の中では最も快適な生活空間を得やすい
- 機能性のみではなく、デザインも好みのものとすることが容易であり、長く住んでも飽きが来にくい。
住宅は「取得すること」自体が目的ではない。
家族みんなが幸せになれる空間を手に入れる
ことこそが住宅取得の目的です。
では最後に「設計事務所」に依頼した場合はどうでしょうか。この場合、施主の要望を設計者が「施主の立場で聞いてくれる」所がとても重要なポイントであり、「施工者の立場で設計を進める」他の施工業者と最も異なる点でしょう。
設計事務所に依頼する場合、依頼者は伝える要望について最初は漠然としていても構いません。とにかく「こうしたい」という要望を伝えることで設計士はそれを整理し、現実の住宅・設備に置き換えて提案してくれます。施主の立場として設計士の提案を聞き理想と離れていれば、再度要望を伝えなおしたり、具体的にどうしたいのかを再度考えたり、という流れを一つずつこなしていくことで快適な生活を送るための空間が段々と見えてくることでしょう。
そして、このような流れの中で出来上がった住宅はこれからの人生を過ごす上で、とても素敵なパートナーとしてずっと付き合っていけるのではないでしょうか?
【 今回のポイント! 】
- 住宅は人生の中で大部分の期間を過ごす大切な空間。「取得すること」自体が目的ではなく、「快適な空間を得る」ための住宅取得であると心得よ。
- 要望を素直に出し切ること、妥協しないことが良い住宅を取得する最良の選択となります。
- 住宅に合わせる生活を選ぶ必要なし!ライフスタイルに合った住宅が一番良い住宅です。