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設計士に我慢は必要なし。言いたいことは全部言うこと。



理想の家でやってみたいことを全部、
素直な気持ちで整理してみよう
 家づくりにおいて、非常に重要である「施主の要望」。楽しく、快適に過ごせる家にするためには「やりたいこと」や「こうしたい」という要望を漏れなく全部出して整理する必要があります。家づくりが始まり、任せるべき設計事務所・設計士を決めたらいよいよ概要設計と呼ばれる工程に入って「施主の要望」をまとめていくわけです。この概要設計からその後の基本設計工程においては、この要望を漏れなく設計士に伝えることが良い家にするためにはとても重要です。
 ここでは、自分と家族の要望を漏れなく伝えるために必要なステップや考え方を整理して、楽しく快適な家づくりのインプットとするための考え方についてまとめています。

 
 

要望を漏れなく出すために

 1.やりたいことを出す
 家でどう過ごしたいかを「現在」「未来」の両側面から見ていきます。まず最初は「現在」です。新居に住む前の現状をまず振り返ってみます。「朝どのように起きて」「洗面所で支度をして」「朝ごはんを食べて」「通勤、通学に向かう」というように順番に振り返ってみるとやりやすいと思います。その際に「何をするか」「必要な物があるか」「便利な点」「不便な点」というようなことを思い浮かべながらを記載/整理してみてください。ポイントは「当たり前と思うこと」も記載するということです。理由は後述しますが、非常に重要なポイントですので、注意してみてください。

【現在の生活】 記載例
場所
イベント
人・誰が
要望・すること

寝室
朝起きる(平日)
夫、妻
  • 起きたらすぐに着替える

寝室
朝起きる(休日)
夫、妻
  • 昼前までは寝ていることが多い

洗面所
朝の準備
全員
  • 顔を拭くタオルを使う
  • 洗顔、メイクをする
  • ドライヤーを使う

 
 
 
 

・・・など
 次に「未来」の生活を想像して同じように記載してみてください。当然「未来」には「こうしたい」という要望が非常に重要となってきます。思いつくことだけでも大丈夫です。出せる要望から挙げてみましょう。又、迷ったら「現在」を振り返ることも有効です。現在の生活と合わせて、未来に「こうしたい」という要望を出してみましょう。又、この時点では「予算」などの「現実性」は排除して考えてみることが重要です。現実的な縛りは一旦考慮せず、自由に、そして素直に新しい家でやってみたい、こう過ごしたい、という思いをあらわしてみましょう。
【未来の生活・要望】 記載例
場所
イベント
人・誰が
要望・すること

寝室
朝起きる(平日)
  • 起きたらすぐにストレッチ等、体を動かしたい

寝室
睡眠
夫、妻
  • 上質な眠りにはこれまで以上に注力したい
  • 大きいサイズのベッドで眠りたい

風呂・バスルーム
入浴時
全員
  • 寝足が伸ばせる広い浴槽にしたい
  • 入浴中に音楽を聴きたい
  • 癒し効果のある照明を取り入れたい

 
 
 
 

・・・など
 こうして要望を挙げていくと、新しい家でどのように過ごしたいのかが少しずつイメージされてくることと思います。ここでいう要望とはこの後の工程で「要望⇒現実的な手段」に落とし込む上で必要となる材料となる非常に重要な要素の一つです。
 又、ここで大切なことは要望であり、現実ではありません。簡単に言えば、現在の生活は「家に合わせる生活」であるのに対して新しい生活では「家を自分に合わせる」ことが出来る、ということになる、ということです。例えば、現在の住宅では収納場所や部屋の広さが「既に決まっている」ため「家に合わせて」洋服を収納し、収納場所が決まっているが故に着替える場所も決まってくる、というような形です。

自分に合った快適な住宅づくりを目指そう!
 とは言っても上の例のように、自分や家族が本当にしたいことは「現在の生活」を普通と捉えている限り簡単には出てきません。「現在の生活」からはどちらかと言うと「不便」であったり「気になる」点について、改善する視点で考えることが即ち「要望」や「やりたいこと」に繋がってくることが多いと思います。やりたいことについて挙げるのに困った場合は「現在の生活」を振り返り、気になる点や困った点を改善するような方法を探してながら、「当たり前」と決め付けをせずになるべく素直な気持ちで要望を整理していくと良いでしょう。
【 今回のポイント! 】
  • 現在の生活は「当たり前」と思うことも新居の重要なインプット。当たり前も含めて整理する
  • 新しい家でどのように過ごしたいかを素直な気持ちで挙げてみる
  • 「現在の不満」を振り返り、改善の視点から要望を整理する