大枠の予算・費用からも設計事務所への依頼
可否を判断できます
建築設計事務所で家を建てる利点・メリットはいろいろありますが大まかに言えば「人生を豊かにする買い物を失敗なく手に入れる」ことが出来るという点であると思います。そして「設計事務所で家を建てよう」と決めた後、次のステップは設計事務所探しへと移行しますがその際、気になる点として共通しているものがあります。それは「コスト・予算」です。
「家はなるべく安く建てたい」と考えるのは極めて普通のことですが、「設計事務所に依頼するとトータルコストが高くなる」という誤解・間違った認識によりこの時点で設計事務所による住宅取得を諦めてしまう方も少なくありません。詳しくは Feuture1.設計事務所で家を建てる理由の[設計事務所で住宅を建築すると「コスト」が高くなる]という誤解でも述べていますので、まだお読みになられていない方は是非一度ご覧ください。
「家はなるべく安く建てたい」と考えるのは極めて普通のことですが、「設計事務所に依頼するとトータルコストが高くなる」という誤解・間違った認識によりこの時点で設計事務所による住宅取得を諦めてしまう方も少なくありません。詳しくは Feuture1.設計事務所で家を建てる理由の[設計事務所で住宅を建築すると「コスト」が高くなる]という誤解でも述べていますので、まだお読みになられていない方は是非一度ご覧ください。
そしてようやく本題に移りますが、「コストの算出」で言う「コスト」とはいわゆる「坪単価」のことです。施工面積あたりの坪単価を過去の実績から「おおよそどのくらいの坪単価」であるかを率直に聞いてみてください。その坪単価により、ザックリと希望する住宅の広さ・施工面積(建坪)を乗じてコストを算出してみてください。トータルコストの算出にはおおよそではありますが以下の計算式で大体の費用・トータルコストの参考値が算出できると思います。
<坪単価からの建物コスト算出(概算) >
工事代金 = 建物本体 + キッチン・浴室・トイレ等 + 外構等工事費
建物本体 = 坪単価 × 施工面積
キッチン・浴室・トイレ等 = 建物本体価格の15%~
外構等工事費 = 建物本体価格の5%~
設計監理料 = 工事代金の10% ※
その他経費 = 工事代金の3%~
建物本体 = 坪単価 × 施工面積
キッチン・浴室・トイレ等 = 建物本体価格の15%~
外構等工事費 = 建物本体価格の5%~
設計監理料 = 工事代金の10% ※
その他経費 = 工事代金の3%~
※設計監理料について 参照
又、上記住宅・建物の坪単価からのコスト算出の式を使って例を挙げてみます。
<坪単価コスト算出例 坪単価:50万円、施工面積40坪の場合 >
建物本体 = 50万円 × 40坪 = 2,000万円
キッチン・浴室・トイレ・造作家具 等 = 2,000万円 × 0.15 = 300万円
外構等工事費 = 2,000万円 × 0.05 = 100万円
設計監理料 = (2,000万円 + 300万円 + 100万円)× 0.10 = 240万円
その他経費 = (2,000万円 + 300万円 + 100万円)× 0.03 = 72万円
キッチン・浴室・トイレ・造作家具 等 = 2,000万円 × 0.15 = 300万円
外構等工事費 = 2,000万円 × 0.05 = 100万円
設計監理料 = (2,000万円 + 300万円 + 100万円)× 0.10 = 240万円
その他経費 = (2,000万円 + 300万円 + 100万円)× 0.03 = 72万円
<上記金額を足したトータルコスト >
2,000万円 + 300万円 + 100万円 + 240万円 + 72万円
= 2,712万円
= 2,712万円
上記の例のように当てはめてみると、おおよその坪単価を聞くことで上記例のように大体のトータルコストの算出ができるでしょう。金額の精度は実際の住宅づくりの中で変化してくることとは思いますが、参考には出来る数字だと思います。そしてこのコストが「予算範囲」に収まるかどうかを先に検討してみてください。
トータルコスト算出から見えること
1.設計事務所毎に得意な価格帯がある
設計事務所にはそれぞれスタイル(材料・材質、工法、依頼工務店、期間)が異なり、その要因によって大体の坪単価が決まっています。ここではまずそれを聞き出してください。この坪単価を話すことについて、快い回答が得られない設計事務所もあるでしょう。その場合、「一概には言えない」という回答や「過去の施工実績は個人情報に該当する」等の話に展開されがちですが、こちらが求めているのはそうではなく、「コストを算出したい」ということ、「金額の細かい精度は求めていない」ということ、「個人の詳細な過去実績は不要である」ということを前提として情報提供を求めるべきでしょう。
坪単価から見る総工事費、経費の割合・比率
それでも求める回答・納得できる返答が得られない場合は、単なる担当者の怠慢か、もしくは顧客に対して正面から向き合うことが苦手な設計士ということになるでしょう。いずれにしろ施主が必要な情報の趣旨や要点を理解した上で必要な回答を行うのは、優れた設計士ならば当然顧客の求める要求に応えるべきであり、明確な理由なくそれが出来ないような場合、担当として頼りない設計士であると思われるのも仕方のないことなのでしょう。
【 今回のポイント! 】
- 坪単価から大まかな建物・住宅の工事費を算出出来る
- 設計事務所は過去の設計事例から得意とする品質レベル・価格帯がある
- イレギュラーも想定し、コストにはある程度余裕(範囲)を持って考える