住宅設計に関して、施主の立場で見逃せないポイントを解説

　建築設計事務所で家を建てる際、いわゆるハウスメーカーの「注文住宅」等と異なる最大のメリットは「細かいところまで決められる」という点でしょう。もちろん、注文住宅であっても「ある程度」の自由度は用意されていますが、とはいえ設計事務所による住宅設計の自由度とは比較になりません。

　では、その自由な設計に対して、施主として目指すべき住宅とはなんでしょうか？これも細かい点を挙げると様々なファクターがあると思いますが、もう少し大きな視点から見ると「機能的で毎日の生活が過ごし易く、デザイン性に優れ、居心地が良く、愛着の湧く部屋・空間」というような内容が目指すべき住宅としての一つの答えと言えるのではないでしょうか。

　当項では、この「機能的で毎日の生活が過ごし易く、デザイン性に優れ、居心地が良く、愛着の湧く部屋・空間」を実現するために、施主の立場で設計に携わる際に役に立つポイントを集めてみました。この内容が全てではありませんが、実際に設計士との打ち合わせを行う際に役立てて頂ければ幸いです。

　機能美は長い年月生活をすることを考えた場合、とても重要です。もちろん、デザインをないがしろにしても良いと言っている訳でもありません。どちらを取るかという話ではないのですが、良い家とは機能美を追及した家であることが条件であり、いわば必須であるということです。そして、住みやすい家とは機能性、デザイン性、どちらの面も優れているものなのです。
では、具体的に「機能美」とはどのようなものでしょうか？例を挙げてみると、

「風通し」「日当たりの良さ」「プライバシーの確保」「段差の少なさ」「断熱性」「使いやすい収納」「丈夫な内装設備」「耐久性のある塗装」「導線に合わせたコンセント配置」「電話やインターフォンの使いやすい場所への配置」「十分な明るさの照明」「ごみの一時保持場所の確保」「洗濯機から物干し場所への距離」等

まだまだ数え切れないくらいのポイントがあるでしょう。こうして挙げると当たり前のことばかりにも見えますが、例えば「とてもデザイン性に優れた住宅であっても、住宅地に総ガラス張りの住宅ではプライバシーが守られない家」では結果的に「暮らしやすい家」ではなくなってしまう。というように一つ一つは当たり前だと思っていても施主の立場からもこれらの「機能美」について意識した上で設計に携わることで、後悔のない住宅づくりが進めていけることでしょう。

　「機能美に優れた家」というのは無駄を省き、シンプルながらも美しい家であるとも言えるでしょう。