土地の価格・コストの割合で、出来上がる住宅
そのものが全く違うものになることも・・・
土地選び・土地探しは住宅建築の上で最大級に重要な要素です。大きな買い物であるがゆえに慎重かつ思い切りが必要になる難しい売買です。ここでは土地選びの価格やコストについて述べていきます。
【 土地探しで最初に検討するポイント 】
- 1).通勤や通学に便利な場所であること
- 2).価格が妥当であること
- 3).広さが適切であること
2).価格が妥当であること
[1] 住宅建築全体のコストから見た土地の価格
当ページでは「価格が妥当である」という表現を敢えて使用させて頂いていますが、これには理由があります。まず第一に「住宅建築全体のコスト」として妥当な金額・価格の土地であるかどうかということです。簡単に言えば、土地と建物、及び諸費用、その他家電製品や家具等も含めて予算内に収まるかどうかという話です。いくら気に入った土地であってもトータルのコストを大きく超えるような不動産物件/土地はそもそも検討にも値しないはずです。
全体の予算から考えて無理のない費用での
土地の取得を行うことが望ましいでしょう。
ここでも例を挙げてみます。前ページでの例に挙げた40坪の土地を取得するためには、坪単価50万円としても約2,000万円は(土地の取得だけで)必要となります。総予算を3,500万円程度で考えた場合には住宅建築のために使える費用は1,000万円代前半となります。この金額で床面積40坪の住宅を作るのは相当無理があり(1,000万円 ÷ 40坪 = 建築坪単価25万円)現実的ではありません。
では、金額的にいくらくらいが妥当なのか?という声も聞こえそうですが、これも一概に答え難い質問でもあります。掛けられる総予算はそれぞれであることからも、「土地は○%、建物は○%」と言い切ることは出来ません。
しかし一例として、前例のような条件であればやはり建物に2,000万円程度(諸費用も何とか含め)、土地に1,500万円程度というような按分としたいところです。少なくともこれくらいの予算が建物に取れなければ、希望の住宅に近づけるのは非常に難しくなってしまうでしょう。
[2] 周辺の土地の価格、相場からみた価格の妥当性
周辺の土地と比べて、明らかに「高い」場合は問題ありません。「高い」と思えば購入に踏み切ることは難しく、結果的には検討から除外されることになるためそれ以上の理由は特別必要ないと考えられます。問題は明らかに「安い」場合です。「安い土地」は一見すると非常にお買い得な気がしますが、通常の不動産で「お値打ちな土地」というものはほぼ存在しないと考えても間違いではありません。その理由は本当にお値打ちな土地であった場合には情報が出始めて間もなく、プロが購入してしまうからです。では、どうして「安い」のか?これには理由があるということになってきます。
この理由には様々なものがあります。例えば、「地盤」が周囲の物件と比較し緩く、住宅建築を行うには土地改良が必須となる場合や、肝心の物件に古い家屋が残っていたり、騒音が非常に気になる地域であったり千差万別です。注意すべきポイントについて詳しくは後述する土地探し 重要編 ~ 周辺環境チェックポイントにて述べますが、ここでは「安い土地には理由がある」ということを覚えておいてください。
[3] 公示価格から見る土地の価格の妥当性
周辺地域の相場を調べる上で、最も参考になるのは国土交通省のHPに掲載されている公示価格でしょう。公示価格は毎年年初時点での基準となるべき地価を国土交通省が発表します。地価公示は全国30,000箇所以上を対象に調査・発表されるため、近隣の土地価格を見る上で非常に有効な情報となるでしょう