Top > 住宅取得のためのコストを抑えるポイント > 太陽光発電で電気代を大幅ダウン
< ランニングコストを抑えるポイント >
住宅建築コスト・費用を抑える具体的な方法
3.太陽光発電で毎月の電気代を大きく削減
注目の太陽光発電。導入した場合の効果は
毎月の電気代を大きく減らせる実力があります
最近特に注目を集めてきた「太陽光発電」これまでは、家庭の電力をまかなうに当たり、「何となく高価」「初期費用を掛けてまで」というような考え方から、設備投資としてはそれほど重要視されてきませんでした。しかし2011年以降一気に普及を始めます。理由は東日本に未曾有の被害を与えた「東日本大震災」によるものです。この大変に大きな災害は、日本全国に甚大な被害を与えたのと同時に、電気の大切さや生活にとっての重要性について改めて見直すきっかけをつくることにもなりました。
具体的には災害そのもので電気が使いたいときに使えないという状況や、地域によっては制約(計画停電)により電気が使用できない時間帯が新たに設けられてしまうなど、これまで考えが及ばなかった自由に電気が使用できない生活に対する不安を解消する一つの手段として「太陽光発電」に注目が集まったことが直接の大きな理由でしょう。
この注目の太陽光発電ですが価格的にも非常に高価な設備でもあるため、初期設置費用とランニングコストを含めて考えた場合、どれくらいの年数で元が取れる・損益分岐点を迎えるかどうかをなるべく具体的に分かりやすい例を用いて試算してみます。
太陽光発電の初期コスト・導入費用
まず初期コストについてです。一般家庭の場合に必要となる消費電力量は年間約5,650kw(※太陽光発電協会 JPEA 21年度調査)とされています。標準的な発電モジュール1kwあたりの発電量は1,000kw/年と言われていることから、4.3kw程度の発電モジュールを設置するのが一般的とされています。太陽光発電の初期コストは太陽光モジュール自体の価格と設置コストであり、1kwあたり55万円(平成24年補助金申請の上限となるシステム金額。メーカー・機種により異なる)が必要となるため、4.3kwの場合は単純計算で236.5万円程度の初期設置費用が必要ということになります。
< 太陽光発電モジュール(本体・工事費含む)の価格 (例) >
システム価格:55万円(1kwあたり)
設置容量 :4.3kw 発電太陽光システム
設置価格 :4.3kw × 55万円 = 236.5万円
設置容量 :4.3kw 発電太陽光システム
設置価格 :4.3kw × 55万円 = 236.5万円
但し、太陽光発電の設置には「国」からと「都道府県」「地方自治体」から補助金や助成金が出るケースがあります(平成24年現在)。補助金が出る条件は、ほとんどの一般家庭に設置する太陽光発電システム要件に当てはまるため、初期コストとしてはこれらを差し引いて考える必要があります。
< 太陽光発電の補助金・助成金 3種類 >
1.国の助成金・補助金:全国共通 金額は年度毎に異なる
1kwあたりのシステム価格 55万 円以下 ・・・3万円(上限30万円)
1kwあたりのシステム価格 47.5万円以下 ・・・3万円(上限35万円)
2.都道府県の助成金・補助金:都道府県毎に異なる
3.市区町村の助成金・補助金:地方自治体毎に異なる
1kwあたりのシステム価格 55万 円以下 ・・・3万円(上限30万円)
1kwあたりのシステム価格 47.5万円以下 ・・・3万円(上限35万円)
2.都道府県の助成金・補助金:都道府県毎に異なる
3.市区町村の助成金・補助金:地方自治体毎に異なる
【 補助金・助成金の例:4kwの発電モジュール・パネル設置の場合 】
- 1.国の補助金
1kwあたりのシステム価格 55万円以下 ・・・3.0万円×4kw = 12万円
- 2.都道府県の補助金(例:埼玉県の場合)
設置太陽光モジュール出力 4kw以上 ・・・10万円 - 3.地方自治体の補助金(例:さいたま市)
「国の補助金」と同要件 = 12万円
※1kwあたりのシステム価格 55万円以下を想定
※補助金には「枠」「予算」が設けられており、年単位で予算に到達次第締め切られます
※地方自治体の補助金は、自治体単位で金額や条件が異なります
※補助金は毎年見直しがされており、固定ではありません
家庭用の4kwの太陽光発電モジュールシステムを設置した場合(1kwあたりのシステム価格 55万円以下を想定)、上記例さいたま市で計算すると「国:12 万円」+「埼玉県:10 万円」+「さいたま市:12 万円」= 34 万円 の補助金が受けられる計算となります。但し補助金には、毎年定められた予算があること、太陽光モジュール自体の割引ではなく後から返還される金額であること(一時的にシステム代金全額支払いが必要)は重要なポイントでもあるため覚えておいてください。
< 太陽光発電モジュール設置の初期費用・価格(例) >
本体価格 :236.5 万円
補助金合計 :34 万円
初期費用・価格:236.5 万円 - 34 万円 = 202.5万円
補助金合計 :34 万円
初期費用・価格:236.5 万円 - 34 万円 = 202.5万円
上記の例では、4.3kwの発電効率の太陽光発電システムを設置した場合のトータルコストは202.5万円となりました。太陽光発電システムの初期設置費用を考える上で、発電パネルの価格が大幅に下がってきている現在、パネル自体の価格は大きな違いとはなり難いと言えます。もちろん、設置コストを抑えるには価格が安い太陽光システムを選ぶのが最も近道となるのは確かです。最近では太陽光発電の急速な普及に連れ、廉価で格安な太陽光発電パネル等も登場してきていますが、これらの商品は発電効率が劣っていたり、不具合の報告が多かったりと品質に問題があることが最大の懸念事項でもあります。太陽光発電システムは金額が大きいが故に、信頼性のおける商品を選ぶことがとても重要な要件と言えるでしょう。
それからもう一つ、設置費用を抑えるために重要なことがあります。それは「受けられる補助金はしっかりと申請し、受ける」ということです。急速な普及で、補助金の予算も年度半ばには打ち切られるケースも珍しくはなく、設置を検討している方はきっちりと補助金が受けられるタイミングで申請を行うことをおすすめします。
太陽光発電はどれくらいの経済メリットがあるのか
ここからが当ページの本題です。太陽光発電の導入で月々の電気代、ランニングコストがどれくらい削減されるのか。どれくらいの期間で初期投資・設置費用を回収できるのか?本当に元が取れるのか?と気になる点について具体的な例を用いて計算していきます。
まず、毎月の電気代の例を電気使用量から算出します。
< 毎月の電気代、電気使用量の試算(例) >
年間消費電力量 :5,650kw ※太陽光発電協会 JPEA 21年度調査
一ヶ月あたり電力量:5,650kw ÷ 12ヶ月 = 470.8kw
一ヶ月の電気代 :470.8kw × 22円(単価/1kw) = 10,358 円
一ヶ月あたり電力量:5,650kw ÷ 12ヶ月 = 470.8kw
一ヶ月の電気代 :470.8kw × 22円(単価/1kw) = 10,358 円
次に太陽光発電システムを設置したことにより、「日中の削減電気代(一ヶ月あたり」と「売電金額(一ヶ月あたり)」について見ていきます。
< 毎月の発電量による売電・削減電気代の試算(例) >
発電による消費電力削減量:470.8kw × 0.3(30%削減想定)= 141.24kw
削減される電気代 :141.24kw × 22円 = 3,108円
発電による余剰電力量 :4.3kw(設置システム)× 60 = 258 kw
※60 は 設置1kwシステムあたりの一ヶ月の余剰電力量
売電代金 :258kw × 42円 = 10,836円
削減される電気代 :141.24kw × 22円 = 3,108円
発電による余剰電力量 :4.3kw(設置システム)× 60 = 258 kw
※60 は 設置1kwシステムあたりの一ヶ月の余剰電力量
売電代金 :258kw × 42円 = 10,836円
上記例での毎月の電気代と削減コスト、売電代金をまとめると以下の図のようになります。
太陽光発電システム導入後の毎月の削減効果はとても大きく、導入した場合
としない場合を比較した場合、毎月約14,000円の差が発生する計算になります
毎月のランニングコストの比較ができたところで、太陽光発電導入設置時の「初期コスト・設置費用」と「毎月の電気代・ランニングコスト」を含めた金額と、未導入時のこれまでの電気代を払い続けた場合に何年経過後から太陽光発電が得をするのかを見ていきます。
初期コスト・設置コストを含めても未導入時と比較して12年で
並び、そこからは毎月約14,000円得をし続ける計算になります
では、上記までの例の通り、設置費用を約200万円とした場合に導入時と未導入時でトータルコストを比較したものが上のグラフです。未導入時にはこれまでの電気代を払い続ける計算。導入時には、初期コストは高いですが毎月の削減電気代と売電料金を加味して計算した場合、およそ12年経過後にトータルのコスト・費用で並ぶ計算になります。そこからは毎月のランニングコストは「電気料金:7,250円」「売電料金:10,836円」として計算すると「マイナス3,105円」。つまり電気代が無料になる以上に利益が毎月3,000円程度発生する計算になり、年月が経過するほどこの効果・差は大きくなります。
ソーラーローンの活用も視野に入れて
ここまでは、太陽光発電を導入設置した際の経済的メリットについて触れてきました。大変大きな経済的メリットがあり、導入すればトータルコストの面でとても助かる設備であることは間違いありません。とはいえ、太陽光発電導入の最大の障害はやはり「初期費用の高さ」にあると思います。200万円と言えば、主に車の購入費用などと大差のない金額。一般的な家庭において、決して安い金額ではありません。
【 ソーラーローンの例 】
- 借入れ金額:
202万円
- 返済方法:
元利金等返済
- ボーナス払い:
なし
- 金利:
2.80%固定
- 返済期間:
15年 (180回)
- 支払総額:
2,476,021 円
- 毎月の返済額:
13,756 円
しかし、まとまった金額が準備できないからと言ってすぐに諦めてしまう必要はありません。その理由として、太陽光発電は導入・設置においてソーラーローンの利用も考えることも可能だからです。太陽光発電を導入するためにソーラーローンを組んだ場合について具体的な金額を交えて見ていきましょう。
この例の場合、毎月の返済額は13,756円。太陽光発電導入時の毎月の経済効果が約14,000円。この金額はほとんど大差ありません。つまり、ソーラーローンを利用した場合、毎月発生する経済効果でローンの支払いを賄うことが可能で、返済の完了する15年までは未導入の場合と同じランニングコストということになります。当然それ以降は毎月の経済効果分が発生するためその効果を存分に発揮することが可能です。
当然ローンの金利分、経済効果は少なくなる計算ですので早く返済できた方がより良い状況です。しかし、ソーラーローンの利用が行えることにより、「初期費用がないから設置を諦める」という必要はないのです。太陽光発電は早く導入するほど効果が大きい設備です。買い取り金額についても現在の「高い買い取り金額」がいつまでも継続する可能性は低いでしょう。住宅を建てられる方、トータルコストを抑えたいと真剣に考えている方、この機会に太陽光発電について是非真剣に設置を検討してみることをお勧めします。