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Top > 住宅取得のためのコストを抑えるポイント > 床暖房はクリーンでローコストな暖房

ランニングコストを抑えるためのポイント


 
 

住宅建築コスト・費用を抑える具体的な方法


 4.床暖房の賢い配置

新居の暖房は、ランニングコスト、安全性
快適性で選ぶ
 日々のランニングコストを考える上で非常に重要となる「水道光熱費」。その中でとても大きな割合を占めるのが暖房です。
 暖房にも様々な種類がありますが、まず一般家庭で採用される代表的な暖房としてエアコンやストーブ、ファンヒーターが挙げられます。これらの暖房機具は「対流式暖房」と呼ばれており、空気を直接暖めて空気を対流させることで室内を暖めるシンプルな暖房です。それに対して「輻射式暖房」と称されるのが床暖房です。輻射式暖房のしくみは遠赤外線を壁に反射させることで熱を伝えるという方法で、従来の対流式暖房と比較しても、壁や床の面積が大きくなる広い部屋や空間を暖めるのに特に効率の良い方法であり、最近の高気密・高断熱住宅との相性がとても良いのが特徴です。
 ここでは、安全・快適な暖房として床暖房についてもう少し詳しくクローズアップしていきたいところですが、その前に主な暖房についてもう一度整理・比較してメリット・デメリットを明らかにしていきます。
 エアコンのメリット・デメリット

< メリット >

  • ランニングコストが安い
  • 暖房・冷房に対応可能
  • 起動後すぐに暖まる
  • 火を使わないので安全
  • 空気清浄・ウィルス除去機能が付帯
  • 清掃・メンテナンスが楽

< デメリット >

  • 暖かい空気を空間上部に溜まる
  • 吹出された風が不快
  • 塵やホコリが舞う
  • イニシャルコストがやや高い
  • 室外機の設置が必要
  • 運転時の音が大きい


 FF式ファンヒーターのメリット・デメリット

< メリット >

  • 足元から温まり、エネルギー効率が良い
  • 直接空気を暖め、部屋がすぐに温まる
  • 広い部屋でも1台で対応可能
  • イニシャルコストが安い
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< デメリット >

  • 本体の過熱と吹出し口が高温となる
  • 頻繁な換気が必要
  • ガスのランニングコストが高い
  • 塵やホコリが舞う
  • 運転時の音が大きい


 温水式(ヒートポンプ式)床暖房のメリット・デメリット

< メリット >

  • 足元から温めるため、快適
  • ホコリが舞い上がらない
  • 風を感じないため、快適
  • 室内作動音がなく静か
  • 掃除の手間がない

< デメリット >

  • イニシャルコストが高い
  • ランニングコストが高い
  • 部屋が暖まるまでに時間がかかる
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 蓄熱式床暖房のメリット・デメリット

< メリット >

  • ランニングコストが安い
  • 足元から温めるため、快適
  • ホコリが舞い上がらない
  • 風を感じないため、快適
  • 室内作動音がなく静か
  • 掃除の手間がない

< デメリット >

  • イニシャルコストが高い
  • 部屋が暖まるまでに時間がかかる
  • 間欠運転や部屋別暖房ができない
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 各種暖房について、上でまとめたようなメリット・デメリットは整理できました。では、新しい住宅に暖房設備を設置する際に優先して考えるべきこと、要件とは何でしょうか。その要件とは、簡単に言えば「安全かつ快適。更にローコスト」である。という極めてシンプルな台詞になると思います。ではこのシンプルな要望について、上で整理したメリット・デメリットを使用してどのような暖房設備が優れているのかを考えていきます。

 <安全性>
 安全性の観点で見れば、直接火を使わない暖房すなわち「エアコン」「床暖房」がやはり優れていると言えるでしょう。その理由は直接燃焼しないことで火災のリスクや、不完全燃焼のリスク、ヤケドのリスクも低下するからです。安全性の観点から見た場合、電気を使用した暖房は、特にお年寄りやお子様が居るご家庭でも安全に使用できるという点が優れており、評価するべきポイントになるでしょう。
 <快適性>
 次に快適性です。「快適」の定義は難しく個人毎にその捉え方は千差万別ではありますが、暖房という設備に関して述べた場合に重要なこととして、「1.十分に暖かいこと」「2.うるさくないこと」「3.クリーンなこと」「4.早く暖まること」が大きなポイントです。
 これらの重要なポイントの中で「1.十分に暖かいこと」については、暖房の種類にももちろん違いはありますが、同じ暖房設備でも機種毎の出力の大きさによっても大きく左右されますので比較が難しく暖房の種類毎に評価するのが難しい点です。次の「2.うるさくないこと」については、対流式暖房設備と比較した場合に輻射式暖房である「床暖房」が大きくリードしています。
 「3.クリーンなこと」についても直接空気を対流させない「床暖房」が一歩リードしています。その理由は、エアコンやファンヒーター、ストーブは直接空気を暖める機構であるために、フィルターが汚れたりしますので、結果的にフィルターを通って出る空気自体が汚れる、というデメリットがあるからです。対して床暖房は直接空気を暖める機構ではないため、暖房によって空気が汚れるということはありません。しかし、エアコンのみにクローズアップした場合にはデメリットを補うメリットとして、「マイナスイオンの発生」や「空気中のウィルス除去」などの優れた機能が出揃ってきており、大きなメリットであると言えるでしょう
 最後に「4.早く暖まること」について言えば、スイッチを入れれば数十秒後には暖かい空気を出力する対流式暖房設備、「エアコン」「ストーブ」「ファンヒーター」に対して、床暖房は徐々に暖まり始め、快適な温度になるまでに1時間程度を要するため、かなりのマイナスポイントであると言えるでしょう。「タイマーを使用して予め暖めておく」等の工夫ももちろん考えられますが、現実には帰宅時間が毎回予定通りにいく訳でもなく、そもそも「タイマーを使用を想定する必要がない」対流式暖房に対してマイナス評価となることは避けられないことでしょう。
 しかし、「2.うるさくないこと」「3.クリーンなこと」について見た場合には「床暖房」がエアコンを一歩リードします。エアコンやファンヒーターは比較的動作音が大きいこと。更に直接空気を暖める機構のため、フィルターが汚れたりすると空気自体が汚れるというデメリットがありますので、優れた能力を発揮するポイントであると言えます。又、空気を直接吹出すると、その風が直接体に当たって不快に感じるという方も多いため、その点も床暖房が優れている点だと言えるでしょう。
 最後に「ローコスト」です。この点では蓄熱式の床暖房が一歩リードしていると言えるでしょう。理由は電気料金の安い夜間・深夜電力を使用できる、という点がやはり強いこと。又、床暖房は「ランニングコストが高い」と言われていますがこれは主に電気式の床暖房のことを指しているため、「蓄熱式床暖房+オール電化」の組み合わせで床暖房を実現すると格段に少ない電力(およそ「1/3~1/5」)で使用することが可能となっています。更にエコキュートと組み合わせることで、安い深夜電力の電気代「1/3」となるため従来の電気式の床暖房と電気代を比較すると約1/10と格段の省エネ・ローコストを実現可能な製品もあるため、省エネ効率の著しいエアコンと比較した場合でも遜色がないくらいに非常にランニングコストに優れた暖房であると言えるでしょう。

暖房の種類毎の重点ポイント比較。床暖房の弱点はエアコンでカバーできる
 このように床暖房は非常に優れたメリットを多く持つ暖房ですが、やはり「起動が遅い」ことが大きな弱点です。しかしこの弱点については、一般の住宅において夏場の「エアコン」使用がほぼ必須であることから、起動直後はエアコンを使用し、暖まり始めたら床暖房に切り替えて使用する、という使い方で克服可能です。床暖房で快適な暖房。一度検討の余地は十分にあるでしょう。