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ランニングコストを抑えるためのポイント


 
 

住宅建築コスト・費用を抑える具体的な方法


 7.効果的な採光を得るための窓とは

効果的な採光は明るさのみならず、ランニングコスト、
快適性にも影響します
 日当たりは快適な住まいづくりにはとても重要なファクターの一つ。家の中を明るくすることで開放的な空間にするとともに、冬場には光で室内を暖めることで暖房代の節約にも繋がります。では効果的な採光を得るため抑えておくべき条件とは何でしょうか、それは、外からの視線をいかに遮りつつ、十分な明るさ・光を取り込むことが出来るかということでしょう。以下に効果的に採光を得るためのポイントを挙げてみます

< 効果的に採光を得るために考えるポイント >
  • 1.南側への窓の配置
  • 2.2階リビング
  • 3.天窓/トップライトを設ける
  • 4.窓はなるべく高い場所に設置する
  • 5.中庭を設ける
  • 6.吹き抜けを設ける
 中でも近頃人気があるのは、「2階のリビング」と「天窓」の設置でしょう。天窓は通常の窓に比べ3~5倍程度の採光を得ることが出来る点が非常に優れています。しかも開閉式という選択肢も採れるため、住宅と住む人のライフスタイルに合わせた柔軟な採光を得ることが可能です。又、中庭も採光を得る上でとても優れたメリットがあります。それは窓の大きさに関わらず「外部の視線を遮る」ことが可能だという点です。通常大きな窓を設置した場合、外からの視線も窓の大きさに比例して入ってくることになるため、折角の大きな窓を設置したのにいつもカーテンを閉めっぱなし、というような勿体無いことが起こってしまいます。しかし、中庭を設置することで、この外部からの視線をほぼ気にしなくすることが可能となるのです。
 又、採光は確かに重要ですが、家の中が明るすぎると逆にまぶしくて過ごし辛いということにもなり兼ねません。明るさが不要な際は明るさを遮断できるような、切り替えが柔軟に可能な空間を意識して設計を進めることで、いつでも快適な空間により近づけることができるでしょう。
 更に注意する点として、窓の場所・高さについても注意が必要です。というのもいくら採光に気を使って光を取り込む大きな窓を配置したとしても、居室が道路や外から見えるような窓では、常にブラインドのお世話になって暗い居室になってしまった・・・ということにもなりかねません。理想的には、然るべき場所に適切に、適度な大きさで窓を配置することで必要な際は明るさを取り込めるような窓のデザインが必要でしょう。
 効果的な採光は、家の中全体を明るくして家族団らんのスペースをより開放的な空間へと導くことが出来るとても重要な設計要素の一つです。「窓や空間への光の導き方」について気にすることで、とても過ごし易い空間となるため、是非効果的な採光を取り入れるにはどうすれば良いのか?じっくりと検討してみると良いでしょう。


 8.長期優良住宅で地震保険料の優遇措置を受ける

長期優良住宅を取得し、地震保険料優遇措置を
受けることでランニングコストを安く抑える
 長期優良住宅という言葉をご存知でしょうか?字の通り、「長期に渡り優良な住宅」即ち「安全」で「過ごしやすい」「環境に配慮した」家・住宅であるとの意味です。これは2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」により定められた各基準をクリアすることで「長期優良住宅」として認められる制度で、フラット35等の住宅を取得する際には必要となることもあります。

 長期優良住宅は住宅そのものの性能も「優良」であるため、暮らす上で安心できる住宅であるのみでなく、ランニングコストの面でも優遇措置を受けることが可能なため、メリットのある制度であるとも言えるでしょう。主な優遇措置は以下のものを受けることが可能です。
 
長期優良住宅
一般の住宅

住宅ローン減税
※所得税の控除・優遇
住宅の強化にかかった費用(1,000万円まで)の10%を控除
※なし

登録免許税の税率
1.保存登記
0.10%
0.15%

登録免許税の税率
2.移転登記
0.1%
0.3%

不動産取得税の控除額
 
1,300万円
1,200万円

固定資産税の減額期間
5年
※マンションは7年
3年
※マンションは5年

 では、上記のメリットを受けることのできる長期優良住宅とは具体的にどのような住宅なのでしょうか?長期優良住宅として認められるには以下の基準(2013年1月1日 現在)をクリアする必要があります。
1.劣化対策
  • 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。
  • 通常想定される維持管理条件下で、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となる措置。
〔鉄筋コンクリート造〕
・セメントに対する水の比率を低減するか、鉄筋に対するコンクリートのかぶりを厚くすること。
〔木造〕

・床下及び小屋裏の点検口を設置すること。
・点検のため、床下空間の一定の高さを確保すること。

2.耐震性
  • 極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること
  • 大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制する措置を講じる
〔層間変形角による場合〕
・大規模地震時の地上部分の各階の安全限界変形の当該階の高さに対する割合をそれぞれ1/100以下(建築基準法レベルの場合は1/75以下)とすること。
〔地震に対する耐力による場合〕
・建築基準法レベルの1.25倍の地震力に対して倒壊しないこと。
〔免震建築物による場合〕
・住宅品確法に定める免震建築物であること。

3.維持管理・更新の容易性
  • 構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
・構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること
・更新時の工事が軽減される措置が講じられていること等

4.可変性
  • 居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること。
〔共同住宅〕
・将来の間取り変更に応じて、配管、配線のために必要な躯体天井高を確保すること。

5.バリアフリー性
  • 将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保されていること。
・共用廊下の幅員、共用階段の幅員・勾配等、エレベーターの開口幅等について必要なスペースを確保すること。

6.省エネルギー性
  • 必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。
・省エネ法に規定する平成11年省エネルギー基準に適合すること。

7.居住環境
  • 良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。
・地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和が図られること。

8.居住環境
  • 良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
〔一戸建ての住宅〕
・75㎡以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準)
〔共同住宅等〕
・55㎡以上(2人世帯の都市居住型誘導居住面積水準)
※一戸建ての住宅、共同住宅等とも、少なくとも1の階の床面積が40㎡以上(階段部分を除く面積)
※一戸建ての住宅、共同住宅等とも、地域の実情に応じて引上げ・引下げを可能とする。ただし、一戸建ての住宅55㎡、共同住宅等40㎡(いずれも1人世帯の誘導居住面積水準)を下限とする。

9.維持保全計画
  • 建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。
・維持保全計画に記載すべき項目については、①構造耐力上主要な部分、②雨水の浸入を防止する部分及び③給水・排水の設備について、点検の時期・内容を定めること。
・少なくとも10年ごとに点検を実施すること。

 これら長期優良住宅の基準は、クリアしておくことで長期優良住宅として認められランニングコストの低減に繋がることも大きなメリットですが、住宅自体の性能があがることでのランニングコストの低減にも繋がるという点も重要です。具体的には光熱費の節約が一番大きなメリットでしょう。
 また、見落としがちな点では住宅が竣工して実際に住み始めた後、数年が経過すると住宅の随所に年月の経過による劣化や不具合が発生してきます。しかし、予め耐久性等に優れた長期優良住宅とすることで建築時のコストはやや増加しますが、後々のランニングコストを大きく下げることが可能となるのです。
 長期優良住宅制度を利用して、安心かつランニングコストを抑えた住宅にすることをお勧めします。

 9.贈与税の節税

親からの援助等を受ける場合の贈与税も
条件を満たすことで大きく節税できます
 住宅を建てる際に必要な資金を親や知人等から援助を受ける際に納税義務が発生する贈与税。実はこの贈与税についても住宅が特定の条件を満たす場合には節約可能な状況があります。具体的には、「省エネルギー等級4相当」もしくは「耐震等級2以上」の場合、通常の非課税枠に対して500万円多い金額が非課税枠として付与されていることになります。
 
省エネ等級4 又は
耐震等級2以上
一般の住宅

平成24年 非課税枠・金額
住宅の建設に必要な費用
1,500万円まで非課税
住宅の建設に必要な費用
1,000万円まで非課税

平成25年 非課税枠・金額
住宅の建設に必要な費用
1,200万円まで非課税
住宅の建設に必要な費用
700万円まで非課税

平成26年 非課税枠・金額
住宅の建設に必要な費用
1,000万円まで非課税
住宅の建設に必要な費用
500万円まで非課税

※非課税金額は贈与を実施した年により決定される

< 省エネ等級4 もしくは 耐震等級2以上 の場合の贈与税計算例 ※平成25年時 >

 贈与額:1,500万円
  1,500万円 - 基礎控除110万円 - 非課税枠1,200 万円 ⇒ 課税対象額:190万円
  = 190万円 × 税率10% ⇒ 納税額:19万円(200万円以下は贈与税控除なし)

< 一般住宅 の場合の贈与税計算例 ※平成25年時 >

 贈与額:1,500万円
  1,500万円 - 基礎控除110万円 - 非課税枠700 万円 ⇒ 課税対象額:690万円
  = (690万円 - 贈与税控除額65万円) × 税率30% ⇒ 納税額:187.5万円


< 贈与税を節税するためのポイント >
  • 1.贈与税の非課税枠追加付与は「省エネルギー等級4」もしくは「耐震等級2以上」の条件が必要
  • 2.年を追うごとに非課税枠は減額されることに注意!(対象者は早めの建築を)