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施主のための住宅設計ポイント


 7.コンセントの数と場所・配置を考える
 部屋の床材や数、配置などが大きく固まり、重要になるのがコンセントの数と配置する場所です。これらは極力具体的にシミュレーションして考えることが大切です。ある程度とか適当にというように決めて後悔した例は聞いた話でも数え切れません。特にコンセントはパソコンやテレビ周りに「足りない」ことが多く、場所はバッチリだったのにタコ足ケーブルや延長ケーブルでぐちゃぐちゃに・・・。ということが多くあり、これから建てるせっかくのマイホームなのに、「最初からタコ足配線を前提」としたコンセント設計(問題を先送りにした設計)は正直勿体ないと言わざるを得ないのではないでしょうか?スッキリと必要な数のコンセント数、配置が考えられたリビングはとても気持ちが良いモノであり当サイトをご覧いただいている方にはぜひそのような部屋を目指して頂きたいと思います。
 では、例えばリビングのテレビ周りのコンセントについて考えてみます。
例)リビングに必要なコンセントを数える
  • テレビ×1コ
  • DVDプレーヤー×1コ
  • ハードディスクレコーダー×1コ
  • スピーカーセット×1コ
  • 録画用外付けハードディスク×1コ
  • 無線LAN子機(親機)×1コ
  • テレビゲーム用×1コ
  • テレビゲーム充電用×1コ
  • 掃除機用×1コ(×2か所)
  • スマートフォン充電用×1コ
  • 電話機(子機)×1コ
  • 充電式乾電池用×1コ
  • その他予備×4コ
 挙げるとすれば、まだまだ出て来るとは思いますがざっと思いつくだけでも相当の数になるでしょう。もちろんこれらは常時同時にコンセント接続が必要なものばかりではありません。こうして「必要なコンセントの最大数」を挙げた後、それらの中から「常時電力供給したいもの」が最低限必須のコンセント数になります。又、常時接続しているコンセントは他の用途には使用しないことになるため、「常時使用ではないが、一時的に使用するコンセント数」がどの程度あるかを加えることでコンセントの数が決まります。この作業を「具体的な家電をシミュレーション」して行うことが必要です。

コンセントの数や配置は予め細かく想定しておくと
タコ足配線などの悲しい事態を防げます
 又、コンセントについて設計段階で考える上での注意点がもう一つあります。それはこれら大量のケーブルやコンセントなどが直接目に触れない状態となっていることです。これだけの数のコンセントに接続するケーブル類が目立つ場所にある場合、どんなに素敵な部屋も「ごちゃごちゃ」とした雰囲気になってしまい、生活する上でとても気になってしまうのではないでしょうか。ですからこれらのケーブル類を上手く目隠しすることは見た目の上でも非常に大切なことであると同時に「ほこり対策」にもなり、一石二鳥です。ケーブル類は「具体的」かつ予め「スッキリ」とした状態となるよう考慮しておくと良いでしょう。
 更に場所について考慮する上で意外と見落としがちなのは、掃除機使用時のシミュレーションです。戸建住宅で掃除機を使う場合、余程の長いケーブルの掃除機やコードレス掃除機以外、途中でのコンセントの差し替えが発生します。問題はこの作業を如何に減らして快適に掃除が行えるようにコンセント配置できるか、という点です。只でさえ煩わしく感じる掃除機かけ作業を少しでもやり易いコンセント配置出来れば掃除をやる気にもなると思います。キーワードは「具体的にシミュレーションする」こと。すっきりとした部屋を実現するため、なるべく細かい所まで想定し、じっくりと考えて最適なコンセント数や場所を考えてみてください。

【 今回のポイント! 】
  • 失敗しないコンセント配置・数の設計は、必要な場所や利用シーンを一つずつ考えて進める
  • コンセント配置設計の上で役立つのは「掃除機」使用時の導線
  • ごちゃごちゃしないリビングはとても快適!そのためには手間を惜しまずに具体的思考で


 8.LANケーブル、電話線の場所を考える
 家庭内のLANケーブルや電話線の引き込みもコンセントと基本的には同じ考慮が必要です。つまり、場所と数です。ただし、最近では家庭内の無線LANを導入することが多く、大元のインターネット回線さえ通じていれば、無線LANによりインターネット接続可能であるため各部屋に必ずLANケーブル接続用のジャックを設置する必要はなくなってきています。
 しかし、電話の引き込みには少し注意が必要です。その理由はLANケーブルと違い物理的に親機となる電話を設置する場所を確定する必要があるからです。一般的な家庭の場合、主にリビングで過ごすことが多くなるため、電話の親機の設置場所はリビングに設置する必要があります。又、一般的に電話と家庭用インターネット接続のための回線は同じ場合が多く、その場合は家庭内LANの引き込み場所もほぼ確定することになります。この点を考慮するとリビングに「電話」「インターネット回線引き込み&無線LAN親機」を設置することになるため、場所を予め決定しておくことがスッキリとしたリビングに一歩近づくことになるでしょう。
 又、もう一歩進んだ考慮として、目立つ場所、特にリビングやダイニングなどのコンセント類(電話線、LANケーブル、電源ケーブル等)は目立たないような工夫を予め考えておくことで、スッキリとした気持ちのいい状況とできます。又、ケーブル類の目隠しはホコリ等の掃除の手間を減らすことにも繋がるため一石二鳥です。もちろん、同じことを実現するために後からケーブル収納ボックス等を購入するという方法でも特に問題はありませんが、「目立たないケーブル類への考慮」はこの設計段階にしか行えないことであるとともに、上手に希望通りのケーブル要件が実現できたときには(ボックス購入等により)後付で解決した場合と比較しても、格段に満足のいく部屋となっていることでしょう。
 住宅設計を折角、設計事務所に依頼しているのですから、建築設計士の力を最大限に活かし、ケーブル類の目隠しアイデアについて気軽に確認・相談してみると良いと思います。多少コストはかかることになりますが、きっと素敵な部屋となるのではないでしょうか。
 基本的には、コンセントの配置とLANケーブルのジャック、電話線の配置などを考える上で重要なキーワードは「具体的」です。既にその場所で生活している自分や家族をイメージした上で、どのようになっていたら過ごし易いか、スッキリ快適になるかを考えることが大切であり、設計を成功させる秘訣と言っても過言ではないでしょう。
【 今回のポイント! 】
  • スッキリとさせたい部屋は設計段階で目隠し的なものを考慮することもお勧めです

 9.エアコン室外機やエコキュートの設置場所について
 電化製品が劇的に進歩している現在に於いても、エアコンの室外機は物理的にそれほど小さくなっていません。そのため、屋外に配置する際には相応の設置場所が必要となります。特に注意するのは建ぺい率が高い地域。主に建ぺい率80%の地域に於いては、住宅を敷地ギリギリにまで建てるような間取りとすることが多く、その場合によく問題となるのが「室外機を置く場所がない」ということです。室外機はその大きさもさることながら、正面に排出のための空間を数十センチ必要とするということです。つまり、室外機そのものの大きさ分を置く場所は予め想定していても、空気排出のための空間を設けることができず結局予定の場所に設置できないというケースもあるのです。
 室外機を予定の場所に設置できなくなると、エアコンを設置した居室から室外機までパイプを伸ばす必要性が発生します。つまりエアコン設置の居室と室外機との距離が伸びるほど「コスト」は正比例して増えるということです。
 基本的なことですが、室外機を設置する場所についても設計段階で(排出のために必要な空間も含めて)問題がないかを確認しておくことが、将来の追加コストを抑える面でも重要になります。