< 施主の立場での住宅設計 >
居室の間取り・配置についての考え方
居室ごとの役割から間取りや配置を考えて
設計の正しさを検討します
3.リビング・ダイニングは出来るだけ広くで述べた通り、当サイトでは一般的な2階建て住宅の場合にリビングを2階に配置することもお勧めしています。理由は「適度な広さ=快適さ」であることから、1階よりも2階に配置することで「広いリビング・ダイニング」が実現可能となりやすいからです。詳しくは前述のページをご覧頂ければと思います。
当項では居室毎の役割から各居室についての広さや配置・考えておくべきことについて、ひとつずつ見ていきます。
居室(寝室・子ども部屋・和室 )毎の特徴と考察
1.寝室
寝室は必要な要件を満たすことで快適な部屋
となります
寝室には基本的に広さは不要です。ベッドを置くなら8畳程度、布団で眠るなら6畳程度が目安となります。もちろんベッドや布団の大きさで広さは変わりますが、寝室はほぼ眠るだけのスペースであるため広い部屋としても利点はありません。ダブルベッドでも8畳あれば十分。メイク台やその他の利用も考えられますが、他の居室や部屋をなるべく大きくするためにも寝室は特別な利用用途がない限り、最小限の広さに留めるべきでしょう。
又、広さもさることながら、日当たりの要件についても寝室には日当たりの良さは不要です。朝日を一杯に浴びたいという方以外は日当たりにこだわらない配置とするべきです。更にプライバシーの確保も寝室には特に必要な要件ですが、日当たりの良くない部屋は一般的にプライバシーの確保にも適しているものです。寝室は「最低限の広さ」「プライバシー確保」「日当たり不要」として検討する方向で大丈夫でしょう。
又、広さもさることながら、日当たりの要件についても寝室には日当たりの良さは不要です。朝日を一杯に浴びたいという方以外は日当たりにこだわらない配置とするべきです。更にプライバシーの確保も寝室には特に必要な要件ですが、日当たりの良くない部屋は一般的にプライバシーの確保にも適しているものです。寝室は「最低限の広さ」「プライバシー確保」「日当たり不要」として検討する方向で大丈夫でしょう。
2.子ども部屋
子ども部屋は居室の中で最も変化が大きい部屋です。幼いうちは寝るだけの部屋。当然子ども部屋で過ごす時間は短いため広さは不要です。しかし、少し子どもが大きくなると遊び場や本を読んだりする際にも使用するようになってくるため、少々広さが必要です。その後は宿題や勉強に取り組むようになり、個人としての趣味も行う部屋となってくるでしょう。そして、成人すればほぼ寝るだけの部屋に逆戻りし、結婚で家を出れば使用されない部屋になります。
このように変化の大きい部屋は、部屋自体が物理的に変化できるような想定も有効です。間仕切りで広さを変えられたり、間仕切り自体をなくしたりすることで変化に合わせて柔軟な部屋になることでしょう。
このように変化の大きい部屋は、部屋自体が物理的に変化できるような想定も有効です。間仕切りで広さを変えられたり、間仕切り自体をなくしたりすることで変化に合わせて柔軟な部屋になることでしょう。
そして広さ自体の話になりますが、子ども部屋としての機能を果たすべき期間「小学校高学年くらい~大学入学前」の間、思春期と呼ばれる期間については、個人としての空間がより必要な期間となるわけですが「一人になる空間」を想定するのであればそれほどの広さは必要ないでしょう。又、快適過ぎるのも子ども部屋としては問題です。それは快適過ぎるが故にこども部屋から出たくなくなるからです。当サイトでは「子どもには極力部屋を出て、みんなでリビングやダイニングで楽しく快適に過ごしてもらう」ような家づくりが良い家づくりに繋がると考えています。子ども部屋の広さはベッドを置いても6畳程度あれば十分。将来的に勉強机を置いてもこの広さで事足りることでしょう。
3.和室
単独での和室は使用用途がおよそありません。特別な趣味や理由があれば別ですが、それ以外の場合単独での和室はほとんどの家づくりのケースで不要でしょう。和室を設けるのであれば、リビングと併設し段差をなくしたようなバリアフリーを取り入れて一体感のある和室とするべきでしょう。和室の有無は施主の感覚に大きく影響される部分で、造る場合でも「なんとなく欲しい」というような理由がほとんどです。しかし、特別な理由がない場合、和室は不要です。リビングと併設させたとは言え、明確な仕切りがある以上は同じ空間とは思い辛く、有効な空間として利用できないことがほとんどです。
「両親が遊びに来る」ことを想定したり、「お客さんを通す」イメージをした場合、確かに必要な空間に思えるかも知れません。しかしそれは十分な広さがある場合の話です。少しでもリビングを広く取りたいと考えている場合や限られた広さをなるべく有効に利用したいと考えている場合には、普段滅多に使用しない和室の存在がマイナスにも働きかねないのです。和室の明確な存在理由について「絶対に必要な空間」と言い切れる場合以外、「在ったほうが良い・・・」というような部屋や設備・機能は家づくりでは「逆に不要」なものとして考えた方がすっきりと設計を進めることが出来るのではないでしょうか。
「和室がないと困ることがあるか」を考えた際に必要ないのであれば、結果的に和室は不要となります。和室が在る家=一般的な家(ハウスメーカーの造る家)というのが固定観念化されている現在ですが、一般的だからといって家づくりで正解であるとは決して言えません。真剣に家づくりに取り組むほど、「一般的から離れる選択肢」も快適な家づくりには重要な感覚でしょう。
「和室がないと困ることがあるか」を考えた際に必要ないのであれば、結果的に和室は不要となります。和室が在る家=一般的な家(ハウスメーカーの造る家)というのが固定観念化されている現在ですが、一般的だからといって家づくりで正解であるとは決して言えません。真剣に家づくりに取り組むほど、「一般的から離れる選択肢」も快適な家づくりには重要な感覚でしょう。
【 今回のポイント! 】
- 寝室は最低限の広さで。プライバシー確保の観点からも、特別な日当たりは不要
- 子ども部屋は変化に柔軟な設計とすること。快適になり過ぎないことが「篭らない子ども部屋」を作るコツ!
- 和室は明確に必要な理由が存在するかをよく考えて設置の有無を検討する